メディアリウムとは 2/2

メディアリウムのバックボーン

メディアリウムには多くの構成要素があります。

そのなかでもプロジェクションマッピングのような、実施場所や周辺環境、被写体の大きさ、形状、素材などリアルと融合する部分をどのように扱うかが、精度と効果の最大化の鍵となります。

当社は建築設計の専門知識と技術がベースにあるため、立体的な構造や導線、空間としてとらえ総合的に演出・ディレクションすることで精度の高い融合をめざします。

そのため企画の段階から総合的にデザインすることで、機材の設置計画、スクリーンのデザインなどリアル部分とコンテンツ制作の役割を考えることができます。

プロジェクションマッピングに関しては、まだ一般的ではなかった1995年より独自に開発・制作を行っているため、他社では不可能と言われる環境、物体(投映距離の短いもの、被写体が小型なもの、湾曲していたり凹凸のあるもの)へのマッピングを可能とする技術と経験があり、難易度の高くない投影でも機材設置計画により、同じ機材でもスペックを最大限に引き出した高解像度と輝度を提供することができます。

プロジェクションマッピング
projectionmapping

メディアリウムの技術

メディアリウムは様々な技術を融合しますが、ここでは最も基本的な技術であるプロジェクションマッピングを例に紹介します。
プロジェクションマッピングだけでも、これらを同時に検討できるスキルが重要になります。

 

  • 企画
    テクノロジーや仕組みにとらわれずに観賞者が楽しめ、驚きを与えられる部分を意識して企画を立てることが大事だと考えています。(テクノロジーや仕組みのおもしろさ自体をコンテンツとして、作品のメイキングなどをyoutubeなどに配信することも多いです。)

 

  • 設置設計/シミュレーション
    造形物へのマッピング精度はもちろん、映像が当たらない「死んだ面」をなるべく作らず、空間的つながりや連続性を活かしたコンテンツは、高いマッピングレベルと設置設計がなければ不可能です。

 

  • 映像コンテンツ制作
    空間デザインとしての映像やライティングとしての効果を意識した映像コンテンツでなくては、魅力的なコンテンツとはなりません。

 

  • 現場監修/オペレーション知識
    現場でおこりうる様々なトラブルや環境の変化を予測して備えることが重要です。また映像再生機の特性を活かした企画やコンテンツの作り方をすることができれば、大きく可能性を広げることができます。特にライブ感を重視するイベントでは、メディアサーバの種類や特性、オペレーターの技術レベルなどを考慮したコンテンツ制作や企画が可能です。

メディアリウムが目指す「超臨場感(Ultra Reality)システム」

メディアリウムの大きな特徴は、リアルな現実のスケール感を意識したコンテンツだということです。
画面では見慣れた映像も、目の前に大きく現れると感動します。またスケールが変わると、スピードや奥行きの感じ方も変わります。 空間を自由に移動できる環境ではスクリーンに正対してコンテンツを鑑賞できる人は限られていますし、見上げるのか見下げるのかでも人の感覚は変わります。観賞者とスクリーンの関係を意識する、つまり空間デザインに近いアプローチをしなくてはなりません。

大規模の投映になると、投影の範囲が観賞者の視野を超えてしまいますし、別方向からマッピングするものはすべてを同時に見られません。
これが物体として、空間としての映像であるがゆえの特徴であり魅力です。この空間的なセンスを持ち合わせながらコンテンツを制作することが必要です。 鑑賞者の視野角を何処まで考えるかで、影の付け方やコントラストも変化します。

3DCGはリアルに制作できますが、それゆえにメディアリウムに必要な嘘を上手につくだけの技量が必要です。しかも投影先は、白ではない場合もあり、ディスプレイでの見え方と大きく変わってきます。 このようなコンテンツ作りのなかで重要なキーワードがあります。「臨場感」です。あらゆる要素から人は臨場感を得ます。
つまり、コンテンツとしてこれらの要素をコントロールすることが、コンテンツのクオリティに関わってくるのです。そして臨場感を持ったコンテンツでは、多面的な活用方法が生まれます。
メディアリウム技術は従来のディスプレイで「観賞する」以上に「経験」に近い体験ですので、従来よりさらに強く鑑賞者にイメージを伝えることができます。

超臨場感