投影シミュレーションが必要な理由
プロジェクションマッピングにはプロジェクターを使います。鑑賞者はそれを知っていても思わずプロジェクターを探してしまうのですが、この時にプロジェクターを発見できないとより不思議に感じるのです。
プロジェクターの特性を考えるとスクリーンの正面から投影するのが最も明るく画質の劣化も少なくなりますが、その位置は観賞者にとって最適なビューポイントであり、しかも高輝度のプロジェクターは大きく、そして冷却のために大きな音がします。これは観賞者にとって快適な環境とは言えません。
さらに、そのような位置に設置すると、コンサート等では動員数を減らさなくてはならない場合もあります。コンテンツ以外の部分ですが、プロジェクションマッピングにおいてはプロジェクターの設置位置もクオリティを左右します。
また基本的には、観賞者から見える範囲内には、投影できない部分を作らないように考えなくてはなりません。
投映角度によって影になる部分を他のプロジェクターで補いながらプロジェクションマッピングする必要があります。
特に日本の場合は狭い空間での実施が多いため、プロジェクターのレンズに短焦点を使用する場合が多く、影ができやすいため、高度な設置設計が求められるのです。 既存の物体に投影する場合はそこから投影位置を導き出しますが、造作物を設ける場合はやはり造作物とコンテンツ、投映位置などをすべて同時に考えていくことで、より高度な表現とクオリティアップが可能です。具体的には、少ないプロジェクターで多くの面への綺麗な投影、映像コンテンツの見栄えの良い立体スクリーンの設計などです。
メディアリウムでは投影位置とスクリーンの関係は重要で、設置設計とスクリーンの設計を同時に考えることでコンテンツの自由度を飛躍的に向上させています。