進化した地震体験

本所防災館 地震体験コンテンツ演出

2021

環境・防災

CHANGE
"EXPERIENCE"
TO "DRILL"

「地震体験」から 「防災訓練」へ。
起振機 × 大型透過スクリーン × プロジェクションの複合演出が、体験のリアリティを拡張。

空間的な映像演出で、防災訓練にリアリティを

東京都 墨田区にある防災学習施設『本所防災館』の地震体験コーナーで、「起振機 × 大型透過スクリーン × プロジェクション」での演出を行いました。
いま求められる新たな地震体験の姿として、「揺れ体験」に「日常的な風景」を交えることで、実践的な防災意識・防災行動力の向上を図りました。
体験コーナーは、起振機のある体験室、それを客観的に見ることができる学習室、という2部屋から構成され、来場者が体験的にも視覚的にも学習することができるコンテンツとなっています。

2つの視点で体験と学習

空間には、起振機による揺れを体験する「体験室」と、その様子を見ることで学ぶ「学習室」があります。
大型透過スクリーンによってホログラムのように浮かび上がる映像を挟み、2つの視点から学習することができます。

体験者と重ねて学ぶ

体験室と学習室を隔てる大型透過スクリーンには、学習すべき内容が投影されます。
学習情報を、体験室で大きく揺れる人々と重ね合わせながら見ることで、学習の重要性を直感的に感じられるものになっています。

一変する日常の風景を再現

起振機の奥にある壁面スクリーンには、さまざまな日常の風景が映し出されます。
物理シミュレーションを用いた3DCGが地震の影響をリアルに表現し、起振機での体験性を大きく拡張しました。


デジタルならではの、多様な体験性

メインコンテンツは、「東日本大震災」「阪神淡路大震災」「東京湾北部地震(想定)」「関東大震災 」「熊本地震」という5つの象徴的な地震にもとづいた防災訓練です。
デジタルコンテンツならではの特性をいかし、1つの空間でいくつもの体験を生み出しています。

シンクロする 起振機と映像

映像内の揺れ方は、各地震の揺れの特徴を捉えたものとしました。
起振機の動きとも連携が取られ、地震ごとの揺れ方の違いも、体験をとおし学習することができます。

「その時」だけでなく、備えも学ぶ

揺れの体験を通じた学習のあとは、エピローグで「備えるべきこと」についても学習。
全員が着座した状態で、実際の被災写真などを見ながら、改めて学習内容の重要性を感じてもらう構成になっています。

3DCGを使った 視認性テスト

映像制作フェーズでは、透過スクリーンに映し出される文字情報が壁面スクリーンと重なって視認性が落ちないよう、3DCG内で視点をシミュレーションしながら制作をおこないました。

事業主

実施施設

所在地

東京消防庁

本所防災館 地震体験コーナー

東京都

展示企画、デザイン・設計、制作・施工:株式会社丹青社

Ashurascope Project Team

映像演出:株式会社 アシュラスコープインスタレーション

Director:森原渡詞 (Ashurascope)
CG Designer:水ノ上花奈 (Ashurascope)
CG協力:中井慶太 (RenderBox/カシカ)

当社担当者から一言

揺れの強さや揺れ方を学ぶだけでなく、いざという時に「どのように行動すべきか」を学ぶための強い動機づけに、プロジェクションマッピングによる臨場感の向上が一助を担うものに仕上がったと思います。
国外からの来場者もふくめ、一人でも多くの方の学習の助けになれば幸いです。


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